「適応障害で休職しているけど、転職はできるの?」
「適応障害で休職した場合、転職で気を付ける点はある?」
と不安をお持ちではないですか?
そんな不安をお持ちの方の気持ちを少しでも和らげることができるように、この記事を書いています。
実は私も仕事が原因で適応障害となり、6か月間休職をしています。
6か月の休職後、復職ができなかった為に退職し、5か月後に転職することができました。
こちらの記事では、
・私が休職してから転職するまでの流れ
・実際に転職活動を経験して感じた、注意するポイント
をご紹介していきます。
こちらもおすすめ→休職からの転職で実際に使って良かった!転職サービスランキング4選
適応障害で休職、転職に成功するまで
それでは、休職から転職に成功するまでの流れを時系列でご紹介していきます。
6か月の休職と2か月の療養
自分に合わない職場環境
第2新卒として広告系の会社に入社しましたが、私には合わない職場環境でした。
広告系特有なのかベンチャー特有なのかわかりませんが、ガツガツ仕事をして、沢山叱られて育ち、仕事が終わらず終電を逃すのが普通、という考えの人が多い会社です。
私が配属された部署は、会社設立当初からある部署で、会社の売り上げの大部分を担っている花形部署。
長く同じ部署で務めているベテラン(お局)が多く、中途で新人として入社した私にとって居心地の良い職場ではありませんでした。
・新人の誰かがミスすると連帯責任として30分以上説教を受ける、というのがほぼ毎日。
・毎日残業があり、家に着くのは21時過ぎ。
・お局社員の機嫌が悪いと質問もできない。
というような状況が入社直後から1年程続きました。
特に毎日説教されるのはかなりしんどかったです。
「なんでできないの?」「どうしてミスするの?」と、解決に導くでもなくただ詰めるだけだったので、今思うとパワハラに近かったのではないかと思っています。
体調不良
毎日辛いなー。と思いながらなんとか会社に通っていましたが、休日はなんともないのに、会社に行く日になると体調が悪くなる日が増えてきました。
体調面の不調は
・吐き気
・めまい
が主な症状。
精神面の不調は、
・毎週日曜日の夜は仕事が始まることを考えると涙が止まらない
・常に気持ちが落ち込んでいる
・何も面白いと思えず笑えない
といった状態で、考え事をすると涙が出そうになる為、仕事中は常に気持ちを押し殺して無の状態で過ごすのが精いっぱいでした。
自分としてもかなり辛かったので、上司に何度か相談し、産業医とも面談することに。
疲労度チェック等も行い、疲労度がかなり高くなっているとのこと。
仕事内容を変えるか、仕事量を減らすか、心療内科へ行くことをおすすめされました。
通院
まずは吐き気の原因を探る為、人生初の胃カメラを飲みましたが異常なし。
検査の担当医にも「精神的なものかもしれない。」と言われ、心療内科へ行くことを決意しました。
今は全く抵抗はありませんが、初めて心療内科へ行く時ってすごく勇気がいりますよね。私も自分の中でものすごい決意をもって通院したことを覚えています。
いざ心療内科に行き、ストレスチェックや診察を受けて出た診断は「適応障害」。仕事や職が合っていないとのことでした。
医師から「休んだら治るけど、どうする?休みたい?」と聞かれ、少し迷いましたが、休むことを選択しました。
実際会社に行くのはかなり辛かったですが、行こうと思えばなんとか通えている状態だったので、
・この程度の症状で休職して良いのか
・休職したら今後デメリットになることがあるんじゃないか
・休職したら職場の人から何を言われるか心配
といった理由で一瞬悩みました。
しかし、会社に行きたくない、休めるのなら休みたいという気持ちがかなり強かったので、その場で休職を指示する診断書を書いてもらうことにしました。
休職手続き
次の日会社で上司に報告するとすぐに休職に入る手続きが取られました。
金曜日の朝報告し、夕方に上司や人事との面談、週明けの月曜日から休職することになり、びっくりする程早く休職に入ることができました。
また、務めていた会社はありがたいことに、最初の1ヶ月間は有給(給与が出ている状態)で休職することができます。
その後休職を延長する場合は無給となる為、傷病手当を申請する必要がある、とのことでした。
まずは余っていた有給休暇を使い切り、その後1ヶ月間有給の休職に入ります。
私の勤めていた会社の休職中のルールは、
・1ヶ月に1度は通院し、診断書をもらう
・1ヶ月ごとに休職を延長するかどうかを人事に電話で連絡する
の2つだけでした。
会社によっては毎週連絡をしなければならない所もあるようなので、かなり恵まれている方だと思います。
1ヶ月に1回ですら、会社に電話をするのはきつかったです。
休職開始
診断書を出してすぐ休職に入ることができ、何週間も先になると思っていたので、結構ビックリしました。
休職中やらなくてはいけないことは月1回通院することぐらいで、他は何も決まっていません。
私は薬に頼ってしまうのが嫌だったので、薬は飲まず、「休む」ことで病気を治していくことにしました。
その為、仕事のことは一切考えず日々過ごします。
ゆっくり寝て、しっかり食べて、実家にいたので毎日家族と話すよう心掛けました。
休職中だからと言って引きこもる必要はなく、友達と会ったり、買い物に行ったり、国内外問わず旅行に行ったり、長いリフレッシュ期間、というイメージです。
遊んだりできる位なら仕事も復帰できそうなものですが、復職について考えた時、月1回会社に電話する時は吐き気、めまいの症状、気分の落ち込みが強く出てしまい、まだ復職は無理そうだな。という状況でした。
さらに、たまたま会社の最寄り駅に行った時や、街で会社の人と似た人を見かけた瞬間に強い吐き気とめまいを感じ、やはり治っていないんだ、と実感したことがあります。
結局最初の給与が出る1ヶ月では回復することができず、2か月、3か月と毎月休職を延長することに。
結局休職できる最大期間である6か月で復職することができないと判断した為、退職となりました。
退職後2か月の療養期間
退職してから、転職のことを意識し始めるようになりました。
しかし、働きたいという気持ちより、新しく仕事を始めることが不安で仕方ありません。
ようやく辛い思いをした会社から解放されたのに、また同じ経験をするんじゃないかと考えると転職に一歩進むことができませんでした。
「働かなくては」という気持ちと「働くのが怖い」という気持ちの中で葛藤しながら、退職後も引き続き療養を続けていました。
2か月程無職の状態で療養を続けていると、少しずつ気持ちに変化が表れます。
なんとなく「そろそろ働きたいな」という気持ちになってきたのです。
恐らく、退職して完全に会社から解放されたことで、気持ち的にかなり楽になった為だと思っています。
休職中は会社に所属している状態で療養していたので、復職について考えなければならず、月1回は必ず会社と接点を持つ必要がありました。
「仕事のことは忘れよう」と思っても、会社について考えてしまう環境にあり、完全に心を休めることができていなかったのだと感じています。
やはり、適応障害という名の通り、本当に会社と合っていなかったのだと実感しました。
3か月の転職活動
「働きたい」という前向きな気持ちがあるうちにと、すぐに転職活動に取り掛かりました。
転職活動準備
まずは、履歴書、職務経歴書を最新版に更新し、求人サイトや人材紹介会社に登録するところから始めます。
休職したことを知られると転職で不利になることがわかっていたので、休職を隠しての転職活動です。
もちろん履歴書にも休職していたことは記載しません。しなくても問題ないので大丈夫です。→履歴書・職務経歴書に休職歴は記載する?休職した人の書類の書き方
今回は2回目の転職活動であり、休職もしてしまったので、かなり慎重に転職活動を行うことにしました。
1回目の転職の反省も踏まえ
・沢山の企業に応募し、自分に合いそうな企業をじっくり選ぶ
(1社目、2社目共に数社受けただけで決めてしまい、結果後悔した為)
・長く働けそうな職場を選ぶため、条件は簡単には譲らない
(2社目でなかなか選考に通らず、最初に決めた条件を緩和し、結果後悔した為)
の2つを心に決めました。
じっくりと納得のいく転職活動をする為に利用した人材紹介会社、求人サイトは4つです。
※マイナビのプロモーションを含みます。
転職活動開始
人材紹介会社の面談に行き、紹介してもらう求人の条件をすり合わせると、早速沢山求人を紹介してもらえました。
私の設定した条件は
・残業が少ない(どんなに多くても20時間以内)
・年間休日120日以上(土日祝日休み)
・内勤業務
の3つです。
求人を見る時にチェックするのは条件のみ。志望動機などを考える為に詳しく会社を調べるのは書類選考に通ってからです。
紹介してもらった求人や求人サイトをチェックし、気になる求人にはどんどん書類選考を申し込ます。
結果として100社程書類選考に応募し、1次選考に進んだのは20社でした。
書類選考に通過すると次は面接です。
人材紹介会社のリクルートエージェントが主催する面接セミナーに行ったり、模擬面接をしてもらって対策しました。
模擬面接では、職務経歴の説明や自己PR、志望動機の話し方について指導してもらえます。
さらに、実際の面接を予想した質疑応答の練習もできるので、おすすめです。
私は休職を隠して転職活動をしていたので、面接でも「適応障害になった」「体調を崩して会社を辞めた」ということは一切話さないようにしていました。
しかし、「休職したことがありますか?」と聞かれた際には嘘を付けないので、途中で休職がばれてしまったことがあります。
詳しい記事→転職活動中に休職がばれて失敗した話〈失敗してもやり直し可能〉
面接中に直接聞かれない限りばれないはずなので、かなり稀なケースだと思っています。
そして、面接はとにかく緊張しますが、転職者側も企業を見極める場でもあります。
・こちらが話している時にしっかり話を聞いてくれているか。
・面接の雰囲気は穏やかなのか、ピリピリしているのか
など、面接の雰囲気を見て、社内の雰囲気を予想しました。
さらに面接後、ネットで企業の口コミサイトを確認し、サービス残業や、パワハラなど、自分が適応障害となった原因がないか調べます。
・転職会議
私はこの4つのサイトを利用し、調査しました。
対象企業の口コミを全てチェックする為、最終選考まで進んだ企業のみ調査していました。
口コミを全て信じる訳ではないのですが、面接の雰囲気と口コミを考慮して「自分の希望と違うな」と感じたら、最終選考を辞退することに。
最終選考の練習として受けに行っても良かったのですが、入社する気もないのに面接を頑張る元気はありませんでした…。
結果として1次選考を通過したのが7社、最終選考を受けたのが4社、内定2社という結果になりました。
関連記事:休職したことを伝えないで転職活動を成功させた方法と手順
適応障害で休職後に転職活動をする際の注意点
適応障害で休職し、転職活動する際に注意するポイントがあります。
再発防止の為、休職中はとにかくしっかり休む
せっかく休職したのであれば、とことん休んでください。
ここでしっかり休まないと、転職した後に再発する、という最悪の状況になり兼ねません。
なぜ転職後の再発が良くないのかと言うと、在職期間によっては有給休暇もなく、休職の対象でもない為、退職しなければならない状況になるからです。
せっかく頑張って転職活動したのにすぐ退社なんてことは避けたいですよね。
その為、まずはしっかり休むことが一番大事。
休職したことは隠せますし、転職してから元気に働けば良いのです。
ちなみに、休職を隠すには少しコツが必要です。詳しく記事をまとめました→休職したことは隠してもばれる?転職活動でばれない方法をご紹介
転職活動の条件に注意する
転職先でも適応障害の症状が出るなんて絶対嫌ですよね。私もそうでした。
転職活動を始める前に、適応障害の原因となったであろう職場環境を洗い出してみましょう。
私の場合は
・毎日2時間以上、月40~50時間の残業
・先輩社員からのパワハラ
・職場の雰囲気が常にピリピリしている(女性社会でお局がとにかく怖い)
の3つがあげられました。
原因をいくつか出したら、同じ状況にならないように対策をたてます。
私の場合は
①残業20時間以内の企業を選び、面接でも確認する
②面接官の雰囲気を見て、少しでも違和感を感じたら辞退する
③給与が高すぎる求人は注意する
④職場の男女比率を聞く
の4つの対策を立てました。
①残業20時間以内の企業を選び、面接でも確認する
求人情報で残業時間を確認し、月20時間以上の残業がある企業は除外します。
さらに、面接で残業時間についての質問は必ず行いました。
求人情報が絶対に正しい情報だとは限らない為です。
その為、「残業時間が20時間程度とありましたが、所属する予定の部署の平均残業時間も20時間程度ですか?」
という内容の質問は必ずした方が良いです。
なぜなら、求人情報に載っている残業時間は全社平均の残業時間である可能性が高い為です。
全社平均の残業時間は、時短勤務で毎日定時に帰る社員や、残業が発生しない部署も全て含めて平均を出します。
その為、求人の部署が毎月60時間残業があったとしても、全社平均の残業時間が30時間であれば、「月の残業は30時間」と表記できてしまうのです。
その他、「残業については毎日1時間程残業があるようなイメージですか?」「繁忙期などはありますか?」など、日によって残業時間の変動があるかどうかも確認することをおすすめします。
②面接官の雰囲気を見て、少しでも違和感を感じたら辞退する
面接の雰囲気がピリピリしていたり、面接官から失礼な対応をされた場合、「気持ちよく働ける会社ではない」、と判断して良いです。
なぜなら、面接官も人なので、「将来社員になるかもしれない人に良く思われたい」という気持ちは少なからずありますし、「企業側も選ばれる立場である」ことをわかっている為、普通なら転職者を嫌な気持ちにさせる行動はとらないはずだからです。
・目を見て話を聞いてくれない
・こちらが話している間、始終つまらなそうにしている
・書類を投げるように渡される
・面接中一切笑いがない
など、せっかく面接に来ているのに気持ちの良いものではありませんよね。
こういう対応の面接官は、仕事中も同じような雰囲気で人と接している場合が多いです。
普段の行動で染みついているので、面接でも同じような態度で転職者と接っしています。
適応障害を再発させない為に、できるだけ良い雰囲気の会社で働きたいですよね。
なので、面接で違和感を感じたら辞退でOKです。
③給与が高すぎる求人は注意する
一般的な給与相場よりも高い場合は、まず疑ってかかるようにしました。
業務や職場環境がきつく、人が定着しない(入社してもすぐ辞めてしまう)為、給与を高くして人を集めようとしている可能性もあるからです。
実際、私が適応障害になった企業も相場より給与が高いところでした。
いつ見ても常に求人募集が出ていて、給与が高い所は危ないと考えて良いと思います。
「常に求人募集が出ている」=「人が定着せず人手不足」ということを表しており、給与が高くてもすぐ人が辞めてしまうほどきつい業務、職場である可能性が非常に高いです。
「業績が良く給与が良い」会社である可能性も捨てきれないので、気になった企業であれば、口コミを参考にすることをおすすめします。
・転職会議
口コミで、「人がすぐ辞める」といったコメントが多い場合は応募しない方が身のためです。
④職場の男女比率を聞く
(私はまだ4社しか経験していませんが…)
経験上、女性比率の高い職場は怖いお局様がいる確率が高いです。(特に東京は確率が高い気がしてます)
理由はわかりませんが、長く働いて周りが持ち上げてくれるので、気が大きくなってしまうんでしょうか…。
私は怖いお局女性社員からのパワハラがトラウマで、今でも40代以降の女性が怖いです。
その為、職場の男女比を聞いて、あまりにも女性が多い場合は辞退した会社もありました。
休職後に転職した会社は男性の多い会社だったのですが、実際すっごく働きやすかったです。
「この言い方だと気分を害されてしまうかな」「なんて言って話しかけたら機嫌が悪くならないかな」といった、本当に小さくて細かくてしょうもないことを気にしなくて良かったからです。
女性の場合、産休育休のことを考えると男性の多い職場はデメリットになることもあります。(妊娠、子育てに対する理解が少ないなど)
しかし、女性社員同士の人間関係に疲れ切ってしまった場合は、男性の多い職場の方が断然働きやすいので、男女比率の確認はおすすめです。
まとめ
適応障害で休職した場合の転職についてご紹介しました。
私は6か月の休職+無職期間中に2ヶ月の療養を経て転職活動を開始しました。
ゆっくりと休んだことで「働きたい」という気持ちが出てきたと思っていますし、転職後も適応障害の症状が出なかったと考えています。
転職活動も、休職の原因であった「残業」「パワハラ」を避けるため、しっかり条件設定をして、じっくり時間をかけて行いました。
周りに流されず、自分のペースで動くことが大事だと感じています。
求人情報で確認できることより、面接でないと確認できないことの方が多い気がしています。
その為、「気になったら1回面接を受けてみる」のはおすすめです。
面接を受けて見て「何かが違う」と思ったら辞退すれば良いだけなので、実際一緒に働く人と会ってみて決める方が良いと思います。
適応障害で休職しても、希望の会社に転職できます。
まずはしっかり休んで、「働きたい」という前向きな気持ちで転職活動に臨めることを願っています。
もしご家族がこの記事を見ていたら伝えたいこと
最後に、適応障害で休職されている方のご家族が、もしこの記事を見ていたら是非伝えたいことがあります。
それは、
「焦らず待っていて欲しい」
ということです。
「いつになったら働くんだろう」「休んでいる間普通に過ごせているなら働けるんじゃないの?」と疑問に思われていることもあるかと思います。
もちろん症状がある本人もそう思われていることはわかっていますし、頭では理解しています。
しかしどうしても気持ちや身体が追い付かない状態なのです。
なので、家族の焦りが伝われば伝わる程、本人は辛い思いをします。
私も実はそうでした。
私は実家暮らしだった為、生活費のほとんどを負担してもらっていました。
休職中は一応会社に所属している状態だった為、何も言わずにいてくれた母も、退職した途端「早く次探さないとね」と声をかけてくるようになりました。
母としては、復職できずに退職した私を励ましているつもりだったのだと思います。
しかし、まだ仕事に対する恐怖が消えていなかった私にとってはどん底に落とされたような気持ちになりました。
「早く仕事を探さなければならない」と変に焦ってしまって、調子が悪くなる日もあった程です。
適応障害はなかなか周りにわかりにくい症状であることも多く、心配されているご家族も沢山いらっしゃると思います。
私はしっかり休むことで「そろそろ動きたい。仕事を探そう」と前向きな気持ちになり、自分の希望の企業に転職し、転職後は再発もなく毎日楽しく働けました。
適応障害と診断された以上、何も考えずに休む時間が必要です。
ご家族の方も焦りや疑問を感じることは多いかもしれませんが、少し長めの休息を見守って頂けたらな、と思っています。